オープンカータクシー
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密です、と言われるのを嫌って、星野はオープンカーで個人タクシーを始めた。
かしこまった制服と白手袋は、スポーティーな車体とは少しばかりミスマッチに思われたが、タクシーだと信じてもらうために仕方なく身に付けることにした。駅前のタクシー乗り場の車列に加わると、星野の車は一際浮いて見えた。
「あの、タクシーですよね?」
「はい」
助手席に乗り込んだ初めての客は、二十代のバンドマン風の男だった。ダッシュボードの「無事故無違反」と書かれた星野の顔写真入りのプレートをチラリと見て、「Sホテルへお願いします」と指定してきた。
尻に響くエンジンの振動と排気音を感じながら、タクシーはゆっくりと滑り出す。
「良かったら、海沿いの道走りましょうか」
「あ、はい」
車体が低いので路面が近い。海が見えると車は加速し、客の男は独り言のように呟いた。
「なんか、風が気持ちいいっすね」
星野はほくそ笑んだ。
かしこまった制服と白手袋は、スポーティーな車体とは少しばかりミスマッチに思われたが、タクシーだと信じてもらうために仕方なく身に付けることにした。駅前のタクシー乗り場の車列に加わると、星野の車は一際浮いて見えた。
「あの、タクシーですよね?」
「はい」
助手席に乗り込んだ初めての客は、二十代のバンドマン風の男だった。ダッシュボードの「無事故無違反」と書かれた星野の顔写真入りのプレートをチラリと見て、「Sホテルへお願いします」と指定してきた。
尻に響くエンジンの振動と排気音を感じながら、タクシーはゆっくりと滑り出す。
「良かったら、海沿いの道走りましょうか」
「あ、はい」
車体が低いので路面が近い。海が見えると車は加速し、客の男は独り言のように呟いた。
「なんか、風が気持ちいいっすね」
星野はほくそ笑んだ。
その他
公開:20/05/02 13:12
タクシー運転手
になった気分で
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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