求む

0
2

ある日、家のポストに回覧板のようなものが入っていた。

中にはA4の紙が一枚。そして一文。

「意味を求む」

何のことやら全く検討がつかない。

意味とは何だろうか。
何についての意味なのだろうか。

そもそもこの回覧板は何なのか。
もっと情報はないかと裏を見てみる。

鉛筆やボールペン、いろいろな人の手書きの字が書いてあった。

「意味なんかない」

「意味なんてなくていい」

「意味がないからいい」

「意味があると思うことが間違い」

「意味がないという意味がある」


誰が書いたのだろう。

誰から私の元に回ってきたのだろう。

私は誰に回せばいいのだろう。

不幸の手紙のようなものだろうか。

イタズラにしてはあまりにも雑すぎる。


考えても何もわからない。

意味もなく私は一言書いた。

「でも、おもろいやん。」
ファンタジー
公開:20/05/02 12:38

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容