あつ森太郎

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今朝もテレビからはコロナと怒りが溢れてる。それ以外ここには何もない。
早く自分の部屋に戻りたいおれはトーストを飲み込みように胃の中に入れていた。

ナミはおれを見ずにこう言った。

「ねぇ、浦島太郎っていると思う?」

ナミの声を聴くのは久々な気がした。

「は?何言ってんの?お前。」

おれがそう言うと、ナミはゆっくりと立ち上がり洗面所の方へ向かった。

「朝から何言ってんだよ、あいつ…」

戻って来たナミは丸い手鏡をおれの鼻の前に突き出した。

「なんだよ…」

「いいから、見てみなよ。顔。」

おれはナミが怖くなった。

「うるせんだよ!お前」

おれはナミが突き出した手鏡を払って部屋に戻った。

そして、すぐに違う世界の住人たちと無人島に行ったり、DIYをやったり、しょぼい道具を作って笑いあったりして楽しかった。

この自粛が明けた時、おれはきっとあつ森太郎になってるだろう…
その他
公開:20/05/01 21:48

子どもの頃、家にあった海外の絵本の匂いが嫌いで本を読まずに生きてきました。
今もそんなに読みませんが、本は好きになりました。

コメントいただけたら喜びます。
よろしくお願いします。

 

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