マネキン

学校の近くに大型ファッションセンターがある。
若者に人気の服を多数取り扱っており、放課後や休日ともなれば店に多くの学生が集まる。
ここは服のキープも可能で自分の名前の書かれたマネキンに欲しい洋服を着せて置く事でその証明となる。後は一カ月以内にお金を払えば無事購入だ。

私はこの店でバイトをしている。今日はいらなくなったマネキンの処分を頼まれた。
名前の書かれたマネキンを焼却炉に放り込んでいく。
ふと、気になるマネキンを見つけた。私によく似た、私と同じ苗字のマネキン。
一人っ子の私には昔、姉がいた気がする…マネキンを見てそれを思い出した。
マネキンのポケットからメモが落ちた。
『おかねはらいますごめんなさいもうすこしまってまねきんになりたくない』
ゾッとした。このマネキンは一体何なのだろう？
まあいいや。私も早くバイト代稼いで支払いを済ませよう。
そうしないと恐ろしい事が起りそうな気がする…