ガンジーの湯

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昔ながらの商店街の奥の奥に「ガンジーの湯」はある。
今どき、子ども50円、大人150円という激安な入湯料でやってる貴重な銭湯だ。
番台には腰の曲がった小さな婆さんがいてガリガリの長い手だけを外に出して、客とお金のやり取りをしている。

今や、風呂は誰の家にもあるし、決して便利な場所にあるわけでもないこのガンジーの湯は何故かいつもたくさんの利用者で溢れている。

夫婦、親子、上司と部下、先生と生徒、ご近所同士、同級生…
毎日、さまざまな関係の人たちがこの銭湯にはやって来る。

そして、ひと風呂浴びると一緒にコーヒー牛乳かフルーツミルクか牛乳を飲んで、みんなニコニコして帰っていく。


脱衣場の大きな鏡の端っこに小さなプラカードが引っ掛けてある。  
効能: ありのままの自分と他人を受け入れられるようになる。
その他
公開:20/05/01 23:44
更新:20/05/01 23:57

子どもの頃、家にあった海外の絵本の匂いが嫌いで本を読まずに生きてきました。
今もそんなに読みませんが、本は好きになりました。

コメントいただけたら喜びます。
よろしくお願いします。

 

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