秘宝

サービス残業を終え帰宅の途についたのは深夜3時だった。毎日の事で私は家族を起こさぬようずっと寝室ではなく1階の和室で1人で寝ている。
疲労困憊の私を支えるささやかな楽しみ。帰宅するなり私は救いを求めてその秘宝の待つ和室に雪崩れ込む。
！なんだこれは⁈
この報告書の上が事件現場の写真だ。
…まさか！
無い！俺のアーモンドチョコが！のり塩味ポテチが！
ルパンのヤツめ〜っ！
犯人は我家のチビルパンの誰か。
対策はしていた。奴らには別にちゃんとおやつを用意し保管場所も教えた。ルパン共はその小物で満足したはず。奴らの中に鼻と機転の利く者が1人。
怪盗女ルパ〜ンⅢ歳(末娘)である。
何度も辛酸を嘗めてきた私は奴の手の届かぬ押入れ奥に秘宝を隠した。

結果はこの有様。クッションを階段状にずらして積み上げ高い場所もなんのその♪ 完敗だ。
宝を食べた犯人は私の1番の秘宝。
仕方あるまい。知恵と勇気に乾杯だ。