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友人に聞いた話だ。
八階建ての立体駐車場の五階に車を停めてエレベーターに向かう途中、全身黒尽くめの男が、駐車場の壁面に何度もお辞儀しながら「ガンバリマショウ」と呟いていたという。
そして二時間ほど経って車に戻った友人が、立体駐車場を降りていくと、同じ男が三階で同じことを繰り返していた。 友人は流石に気味が悪くなって、通報したという。
翌日、その立体駐車場の二階から自動車が壁を突き破って転落した。踏み間違えらしい。幸い軽症で済んだようだ。
友人はその前日にいた黒尽くめの男が関係しているのではないかと直感し、警察いる同級生に連絡をとってみた。するとその男は、やはり事情聴取を受けたという。
男は「スミマセン。ワタシが最後まで応援しなかったせいです。途中で誰か、警察呼んだから事故はその人のセイです」と繰り返していたらしい。
友人は、それ以来、その立体駐車場を使っていないという。
八階建ての立体駐車場の五階に車を停めてエレベーターに向かう途中、全身黒尽くめの男が、駐車場の壁面に何度もお辞儀しながら「ガンバリマショウ」と呟いていたという。
そして二時間ほど経って車に戻った友人が、立体駐車場を降りていくと、同じ男が三階で同じことを繰り返していた。 友人は流石に気味が悪くなって、通報したという。
翌日、その立体駐車場の二階から自動車が壁を突き破って転落した。踏み間違えらしい。幸い軽症で済んだようだ。
友人はその前日にいた黒尽くめの男が関係しているのではないかと直感し、警察いる同級生に連絡をとってみた。するとその男は、やはり事情聴取を受けたという。
男は「スミマセン。ワタシが最後まで応援しなかったせいです。途中で誰か、警察呼んだから事故はその人のセイです」と繰り返していたらしい。
友人は、それ以来、その立体駐車場を使っていないという。
ホラー
公開:20/05/01 13:09
シリーズ「の男」
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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