除熱大陸

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放送のあと、ショートショート人気は沸騰した。
関連本は飛ぶように売れて、全国各地で催しが開かれた。
《誰にでもすぐ書ける》
子供からお年寄りまで、誰もがとりこになった。

「これはマズいですね……」
データを見ていた気象庁職員がうなった。
全国でショートショート熱が高まるにつれて、
地球の平均気温がどんどん上がっていた。
「このまま行けば、海の水が沸騰してしまう」
悩み抜いたすえ、職員の一人が叫んだ。

「そうだ、あの男に頼もう!」

『……ったく、世話が焼けるぜ』
男は煙草に火をつけた。
彼の名はUBEBE。
彼がショートショートを投稿すると、
沸騰寸前だった熱が少し冷めた。
彼の作品はあんまり面白くない。
そのおかげで、皆が冷静な心を取り戻した。
「良い意味でおもんない!」
「面白くなくて、ありがとう」
感謝の言葉が彼に投げかけられた。

海の水がしょっぱいのは、彼の涙のせいだと言う。
ファンタジー
公開:20/04/30 10:11

UBEBE

おっさんになりましたが、夢は追い続けます

「小説は短く、人生は永く」

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