望まない選択

それは手にしてはならない能力だったかも知れない。

人類は進化し、生まれてくる赤ちゃんの性別を生み分けれるようになった。

と言っても50を過ぎた独身の僕には関係ない話だと思っていた。

それと同時に幸せな家庭を築いている周りの友人を羨んだり
年老いた両親に申し訳ないと言う気持ちも多分にあった。

決して口には出さないが可愛い孫をその腕に抱き、
こぼれるような笑顔を見てみたいと言うのは当然の願望だろう。

そんな両親に「相談がある」と呼び出された。

いつになく真剣な面持ちの場「なに？」と切り出す。

「お前、弟と妹だったらどっちがいい？」