竜宮城のお土産

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亀を助けたお礼にと竜宮城に招かれた私は手厚い歓迎を受けた。
凄く楽しい時間は長くもあり、あっという間だったような気さえする。

竜宮城の門を出て、帰ろうとする私に乙姫は「お土産」と言って玉手箱なるものを差し出してきた。
いやいや、これ以上何かを貰うなど罰が当たる。私は丁重に断った。
すると乙姫、「玉手箱では満足頂けませんか」と次に持ち出したのは玉足箱なるものだ。
箱の中、バタバタと何か走り回る音のするそれは非常に気味が悪い。私は丁重に断った。
すると乙姫、「ではこちらをどうぞ」と玉頭箱なるものを持ってきた。
中からぶつぶつと不気味な声がする。箱の隙間からこちらを覗く目玉が見える。
これは危ないものだ!私は乙姫から逃げるように陸へと戻った。

命からがら逃げだした私だったが、その足首を玉手箱から出た白い腕ががっちりと掴んでいた。
その後の事はよく覚えていない…
気付けば私は老人になっていた。
ファンタジー
公開:20/04/28 19:07
更新:20/04/29 13:12

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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