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娘は小児がんを患い、この間まで入院していた。学校へ行けるぐらいに回復しているけど、抗がん剤で失った髪を気にして外へは出たがらない。いくつか試したウィッグも気に入ってはくれなかった。
「このウィッグはどうかな。試してみて」
「手ざわりや色が私の髪とそっくり。すごくうれしい」
「よかった。苦労して探したのよ」
少し元気を取り戻した娘を見て一安心した。
以前の生活を取り戻すきっかけになればと心から願った。
それから数日後、帰宅すると娘がベッドでおびえている。行方不明だった女の子が遺体で見つかり、しかも頭の皮を剥がされていたというニュースを見たせいだった。
「大丈夫よ」
抱きしめると険しかった表情が和らぎ始める。
「ママ」
「なに?」
「このウィッグも素敵だけど、ショートカットで明るい色のも欲しい」
「わかった、探しとく」
この子のためなら、どんなことでも…
次はどの女の子にしよう…
「このウィッグはどうかな。試してみて」
「手ざわりや色が私の髪とそっくり。すごくうれしい」
「よかった。苦労して探したのよ」
少し元気を取り戻した娘を見て一安心した。
以前の生活を取り戻すきっかけになればと心から願った。
それから数日後、帰宅すると娘がベッドでおびえている。行方不明だった女の子が遺体で見つかり、しかも頭の皮を剥がされていたというニュースを見たせいだった。
「大丈夫よ」
抱きしめると険しかった表情が和らぎ始める。
「ママ」
「なに?」
「このウィッグも素敵だけど、ショートカットで明るい色のも欲しい」
「わかった、探しとく」
この子のためなら、どんなことでも…
次はどの女の子にしよう…
ホラー
公開:20/04/28 17:46
更新:23/12/06 02:21
更新:23/12/06 02:21
SFが好きなのでやはり書いてしまいます。
アイロニカルでブラックなものが多いです。
好きな作家は伊藤計劃と三島由紀夫。あとは海外SF
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