ビリ家族

運動会の家族対抗リレーで最下位になった僕らはビリ家族と呼ばれた。「こうなったら特訓だ！」親父が吠えると雷鳴が轟き、ビリッと髪の毛が逆立った。「さあ練習、まずは家族で競争するぞ」うちは４人家族。気付いたら親父と母さんと弟は小さくなって僕の逆立つ髪の毛に立ち、天に向かい走る構えを取っていた。「待ってよ僕も参加したいんだけど」「お前は速いから、第１走者だ！」は！？言い返す間もなく、よーい、どん！ビリィィ！「あらやだどうしましょう。」と母さん。出だしでスカートを踏んでしまったみたいだ。そんな訳でレースは親父と弟の一騎打ち。２人は僕の髪の毛を離れ、空高くまで全力疾走。さあ、天の川のゴールテープはすぐそこに。ビリリリ！白熱したレースの末、星々が勢いよく飛び散った。勝ったのは弟のビリー！こうして彼がアンカーに決まった。次はバトンの練習を！来る1年後のレースに備え、僕たちはビリビリと闘志を燃やした。