彼と私の諺教室
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世の中の諺はどうやら間違いが多いらしいね、とコーヒーを淹れる準備をしながら彼は言った。
「だって、君のような優しい人が3回しか許してくれないのはおかしいと思わない?」
「私だってあなたが毎回毎回食器を割らなければ怒らないわよ。3回なんてものじゃないし」
食器棚から重なったスタッキングマグを取り出して、押し付けるように彼に手渡す。
「おっと、これは落とさないようにしないとな。悪かったって。どうしてかなぁ、割ろうと思ってやってるわけじゃないんだよ」
そう、彼は食器を割るだけに留まらず、何もないところで転んだり、冷蔵庫にあるコーヒーとめんつゆを間違えて飲んだりするドジな男なのだ。
「世の中の諺は大体が合ってると私は思うわ」
コーヒーを注ぐ彼の手元が止まる。
「まさか君、覆水盆に返らずとか言わないよね?」
「それは故事。あばたもえくぼってことよ」
「だって、君のような優しい人が3回しか許してくれないのはおかしいと思わない?」
「私だってあなたが毎回毎回食器を割らなければ怒らないわよ。3回なんてものじゃないし」
食器棚から重なったスタッキングマグを取り出して、押し付けるように彼に手渡す。
「おっと、これは落とさないようにしないとな。悪かったって。どうしてかなぁ、割ろうと思ってやってるわけじゃないんだよ」
そう、彼は食器を割るだけに留まらず、何もないところで転んだり、冷蔵庫にあるコーヒーとめんつゆを間違えて飲んだりするドジな男なのだ。
「世の中の諺は大体が合ってると私は思うわ」
コーヒーを注ぐ彼の手元が止まる。
「まさか君、覆水盆に返らずとか言わないよね?」
「それは故事。あばたもえくぼってことよ」
恋愛
公開:20/04/28 02:52
更新:20/04/28 23:52
更新:20/04/28 23:52
ずいぶん昔に
みじかいお話を書いていました。
人生の曲がり角には、文章を紡ぎたいという欲望にぶつかるようです。
わたしの欲望を果たすためだけの、
自分勝手な自分都合のお話が並ぶかと思います。
温かい目で見て頂けますと幸いです。
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