地球で家族

ノア星は地球と同じ環境であったが、全てを人工的に生産していた。人間も男女ペアーで生産され、家族になる決まりだ。
男が誕生した時、不手際があり女が生産されなかったので、一人で暮らしていた。

ある日地球が爆発し、その破片がノア星の周りに浮遊した為、男は船にそれらを拾い集め積み込む乗組員になった。
その後地球の爆発が止まり、集めた船荷を再び地球に戻す事になった。
船が地球へ着く前夜、男は樹木や種子を詰めた箱から「助けて下さい」と、女の声がするのを聞いた。見れば地球人で姿はノア星の女と同じだ。「船が地球に着いたら助け出すから、そこに静かにいなさい」と言った。
この事は誰にも告げずに船は地球に着いた。船は荷降ろし後、即ノア星へ戻るので、男は女の入った箱を降ろし、二人で見付からないよう急いで逃げ隠れた。
船は男を行方不明者扱いとし、ノア星へ戻って行った。
その後、地球で男は助けた女と家族になった。