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 「………うわぁっ!!……….離せっ!!」
トオーン………とくぐもった音が響いた。
ここは地下室。裸電球が1個、長い糸を垂らしてぶら下がっている以外は、明るさと呼べるものはない。
「ッ離せえっ!……離せったらあッ!」
赤いジャンパーの少年が、電子ロープで十字架に縛りつけられている。彼の抵抗はもう2時間程続いていた。
 そこへ
「ガチャン、ガチャン」
と物々しい音が近づいてくる。それは幾つもの部品を纏った精巧なサイボーグの男だった。
男はボイスチェンジャーの様な籠った声で笑った。
「ふっふっふ、それでは肉にしてやろう。」
それを聞いた途端、少年の抵抗が激しくなった。
「いやだあッ!やめてくれえっ!!お願いだあっ!」
少年の脇で2つの電動鋸が作動する。
「やめろおぉ!!」
 そして、男がナイフに突き刺したそれを少年の口に運んだ。
「どうだ、私の焼いたビフテキの味は?」
「…やっぱ…不味い…。」
その他
公開:20/04/27 10:59
更新:20/05/05 03:24
夜みた夢

北瓜 彪

ショートショート講座(2019年7〜9月期)にも参加
しました。
皆様宜しくお願いしますm(_ _)m

※アルファポリス
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/664452356
でも活動しています。SS講座で提出した作品「ファンフラワーに関する見聞」「大自然」もそちらで公開しております。
 

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