妻への隠し事

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「ねぇ、今日はどこへ行ってたの?」

「なんで?」

「だって、あなた最近なんだか嬉しそうじゃない」

「そんなことないよ。ふつうじゃない?」

「ううん。私わかるの。女の感ってやつかな」

「だからなんにもないって!」

「そう?ならいいけど」

彼女に出会ったのは2ヶ月ほど前のことだった。

お互いひと目で惹かれあい、それから週末の昼に会うということを繰り返してきた。


「…そろそろじゃないですか?」

「わかってる。オレだってそのつもりだよ」

お互いにとってもこのままでいいはずがなかった。

もうここら辺ではっきりするべきかもしれない。



「ただいま」

「おかえりなさい。待ってたわよ」


「あれ?なんで?」

「だから女の感だって」

玄関に立つ妻の手には赤い首輪があった。

「まいったな。誕生日おめでとう」

「ありがとう。かわいい女の子ね」
その他
公開:20/04/27 15:16

タカハシ( 日本 北陸 豪雪地 )

はじめまして。
板前をしながら書いています。
初心者なので、アドバイスや感想など聞かせていただけたら嬉しいです!

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