書キタイキモチ

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「いいですねえ!」
楽しげな先生の声に私は焦った。
単語を組み合わせて短い小説を書く課題。みんな順調に仕上げてるのに、私だけ全然話が浮かんでこなかった。
あんなに先生が一生懸命教えてくれたのに。きっと仲間ができると思ったのに。
私はとぼとぼと家に帰った。

翌日、机の上に見慣れない水色のキラキラ光るペンが転がっていた。昨日誰かのと間違えたかと思ったが、こんな派手なペンを見た覚えはない。
変だなと手に取った途端、ペン先からどうっと物語が溢れだした。
「わわわっ」
私は急いで次から次へと書き留めた。どれも瑞々しい言葉で綴られた素敵な物語ばかりだった。

それから私の生活は激変した。
数々の文学賞を受賞し取材が殺到。何冊も本が刊行され、順風満帆そのものだ。
だが一つ気がかりなことがある。
例の水色のペン、最近文字がかすれ気味なのだ。
もしもインクが切れたら、私はどこで替芯を買えばいいんだろう?
その他
公開:20/04/27 11:57
更新:20/04/27 14:16
情熱大陸 ネロとパトラッシュ最高 人と比べるんじゃなくて 自分が書きたいことを 楽しく自分の言葉で書きたい

秋田柴子

2019年11月より、SSGの庭師となりました。
現在SSから長編まで幅広く書いております。

【活動歴】
・東京新聞300文字小説 優秀賞1回 入選2回
・SSG 空想競技コンテスト 入賞
・『第二回日本おいしい小説大賞』最終候補(小学館)
・SSマガジン『ベリショーズ vol.5,6,7,light』掲載(Kindle無料配信中)
https://www.amazon.co.jp/dp/B096821HSW

【近況】
 いろいろ書いてます(笑)

【note】
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【Twitter】
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