おかえりのセリフ

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(猫?どこから入ってきたのだろう)
「ほら、ここは俺の家だぞ。早く出ていけ。しっしっ」
私はソファーでゴロゴロしている白猫に向かって言った。
「おいおい、あんまり邪険にするなよ、若造」
「わっ、猫が喋った」
私は余りの驚きに尻もちをついた。
一方、猫の方は相変わらずソファーに寝転び、ニヤニヤと私を見下ろしていた。
「お前は一体何なんだ。幽霊か、それとも化け猫」
「ミーが化け猫?酷いなぁ。こう見えても神聖な猫神セリフ様にゃんだけどな」
「はぁ~、猫神?なんだよそれ。勝手に人の家に入り込んでおいて」
「おいおい、勘違いするな、人間。ミーが最初だ、ミーが。
元々、ここには最初から私が住んでいたのだ。数千年前に社があった頃からな。
後からこの家に入って来ておいて文句を言うんじゃない。賃貸契約書にも「猫噛みつき物件」とそう書いてあっただろう」
「契約書?」
「不動産屋でちゃんと説明されなかった?」
公開:20/04/27 11:50
更新:20/04/27 21:39

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