地球変動

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国際宇宙天文台機構は、地球が何らかの力に引き寄せられている兆候があることを察知した。
探査ロケットを飛ばして詳しく調べたところ、太陽と月の間に突如現れた惑星が原因らしい。
この惑星は、巨大な鉄の塊でできていて、何億光年にわたって無数の鉄隕石がぶつかり堆積して形成されたという。
もともと地球は、北極をS極、南極をN極とする磁気を帯びた大きな磁石だ。
宇宙を浮遊していた鉄の惑星は、地球に引き寄せられて太陽と月の間の軌道に乗り、大きな磁石である地球も鉄の惑星に引き寄せられて、お互いに引っ張り合っている状態との説を、宇宙物理学会が発表した。
今のままでは、鉄の惑星と地球が衝突し、人類は破局を迎えることになる。
世界中から権威ある科学者が緊急に招集され、その回避策が検討された。
そして、鉄を銅に変換するビーム技術を開発し、鉄の惑星に向けて照射された。磁力を失った惑星は、宇宙の彼方へと消え去った。
SF
公開:20/04/26 07:37
宇宙 天文台 地球 太陽 惑星 隕石 磁気 磁石

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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