木になる家族

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ウチの庭には変な木がある。子供の木、祖父母の木、両親の木。今、三本の木はこの並びである。
母が子供の頃は、祖父母の木、両親の木、子供の木の順番だったらしい。何で順番が変わっているの?それに答えてくれたのは幼馴染だ。
「この木はね、定期的に小さくするんだ」
定期的に?
「祖父母が天寿を全うした時に小さく切って子供の木にするんだ」
両親の木と子供の木は切らないの?
「切らないよ。だって両親が祖父母になるまで私達が見守るし、子供も両親なるまで私達が見守るんだから」
君が僕を守ってくれているの?
「そうさ。私達は木霊だよ。君達が天寿を全うするまでしっかり守っているんだ」
そうなんだ。でも守って貰ってばっかりじゃ悪いよ。
「そうでもないさ。君達は害虫から木を守って、毎日水をやってくれている。木を守る=私達を守る事なんだ」
そうなんだ。僕、これからも木身を守るからね。
「ありがとう。私達も君を護るよ」
ファンタジー
公開:20/04/26 19:18

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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