藻家族
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「ノリオの恋人ねぇ」
彼女と家族の初対面は何ともヌメッとしていた。
『ごほごほっ。モズク姉さん、海煙草はやめてよ!』
「お黙り!テングサ祖父様の藻中なのに不謹慎な女」
震える彼女。
「それにノリオはやめときなさい。お父様は藻類の女好きで、家族を捨てて今じゃ流れ藻。アンタも捨てられるわよ」
姉さんに掴みかかる。
「やめなさい!藻が絡むでしょ!」
泣きながら叫ぶ母。
『ごめん』
珪藻肌の母の涙はもう乾いていた。
「アンタもなんか言いなさいよ!見た目は可愛くても中身は空っぽなのかしら?」
ガタッ!
「おい、モズク女。散々コケにしやがって。ってか苔じゃねーし!マリモだし!海の藻屑にすんぞ、こら」
「よく言ったわ、マリモさん!」
「どんな環境でもたくましく生きていける方、大歓迎よ!」
どうやら二人とも彼女を気に入ってくれたようだ。
思わず、僕は彼女に見惚れた。
「何、見てんだよ?観賞用じゃねーし!」
彼女と家族の初対面は何ともヌメッとしていた。
『ごほごほっ。モズク姉さん、海煙草はやめてよ!』
「お黙り!テングサ祖父様の藻中なのに不謹慎な女」
震える彼女。
「それにノリオはやめときなさい。お父様は藻類の女好きで、家族を捨てて今じゃ流れ藻。アンタも捨てられるわよ」
姉さんに掴みかかる。
「やめなさい!藻が絡むでしょ!」
泣きながら叫ぶ母。
『ごめん』
珪藻肌の母の涙はもう乾いていた。
「アンタもなんか言いなさいよ!見た目は可愛くても中身は空っぽなのかしら?」
ガタッ!
「おい、モズク女。散々コケにしやがって。ってか苔じゃねーし!マリモだし!海の藻屑にすんぞ、こら」
「よく言ったわ、マリモさん!」
「どんな環境でもたくましく生きていける方、大歓迎よ!」
どうやら二人とも彼女を気に入ってくれたようだ。
思わず、僕は彼女に見惚れた。
「何、見てんだよ?観賞用じゃねーし!」
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公開:20/04/26 17:46
更新:20/04/27 16:42
更新:20/04/27 16:42
★そるとばたあの400字SSは、ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語がコンセプトです!
★第19回坊っちゃん文学賞大賞『ジャイアントキリン群』
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そるとばたあ