診療室
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「少しは良くなりましたかね」医師は難しい顔をしてしきりにカルテをめくる。
対する老婦人は病魔に全身を侵されながらもほほえみを絶やさない。
「新薬の効果があったようですな」
「はい。おかげさまで少し痛みも引きました」
「どうせならもっといい薬を使いませんか?」
「いえ、それですと子どもたちにも多大な影響が出ますので……」
「子供? 寄生虫じゃないですか!? なんなら根絶やしにしましょうか」
医師は思わず呆れた顔をした。
老婦人は穏やかに首を横にふる。
「まあ、いいです。それなら経過を見ることにしましょう」
「はい、お願いいたします」
老婦人が去っていったあと。医師はつぶやいた。
「新薬コロナが効いたようだな。ニンゲンの活動が縮小されたらしい」
そして医師は『地球』と書かれたカルテにメモを付け加えた。
対する老婦人は病魔に全身を侵されながらもほほえみを絶やさない。
「新薬の効果があったようですな」
「はい。おかげさまで少し痛みも引きました」
「どうせならもっといい薬を使いませんか?」
「いえ、それですと子どもたちにも多大な影響が出ますので……」
「子供? 寄生虫じゃないですか!? なんなら根絶やしにしましょうか」
医師は思わず呆れた顔をした。
老婦人は穏やかに首を横にふる。
「まあ、いいです。それなら経過を見ることにしましょう」
「はい、お願いいたします」
老婦人が去っていったあと。医師はつぶやいた。
「新薬コロナが効いたようだな。ニンゲンの活動が縮小されたらしい」
そして医師は『地球』と書かれたカルテにメモを付け加えた。
ファンタジー
公開:20/04/24 17:05
ぼちぼちやっていこうと思います。
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