お好み焼き屋の夫婦

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私は学生時代に出会った女性と共に小さなお好み焼き屋を開店する事にした。
最初は少なかったお客さんも次第に増え、常連客になってくれた。
5年後、私は彼女にプロポーズをした。
結果はOK。

あれから40年が経った。
元気だった彼女は突然病気になり、寝たきりになった。
数年後、介護の甲斐なく、彼女は逝ってしまった。

「婆さん。今まで二人でいろんなものを焼いて来たね。焼きそば、ステーキ、豚玉、イカ玉。その中でも一番焼いたのは娘かもしれないね。あの子は本当にお転婆だったからね。子猫を助けるために高い木に登ったのは良いものの逆に自分が降りられなくなってワンワン泣いていたっけ。他にも男の子と喧嘩して怪我をして帰って来たこともあったね。本当にあの子には手を焼いたもんだ。そんな娘も明日、結婚するよ。あの子も儂らみたいに幸せな家族を作ってくれると嬉しいんだがな」

「父さん、それってのろけ?焼けちゃうわ」
公開:20/04/23 20:08

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