『おまもり』 お魔守り
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そのお守りはあらゆる悪事が露見しない。買い続ければ罪がチャラで欲を満たし放題。
若い男がその噂をきき、うらぶれた社を訪れた。
「あんたか、例のお守りを売るネロってのは」
「左様で。ただこれは良いお守りではなく、魔を守る『お魔守り』にございます」
「御託はいい。詳しく聞かせてくれ」
これは久々の当たり客かとネロは内心ほくそ笑んだ。
「へえ、六六六時間で効果切れでそれまでの罪がすべて跳ね返る。更新時は前回の六割増し……」
「資金繰りは悪事で十分に」
ネロの言葉に男はスマホの電卓をいじった。
「この条件の複利だと十年もせず千兆桁越え……こりゃ論外。邪魔したな」
男が去るとネロは角や牙、翼に尖ったしっぽを伸ばし腕を組んだ。
「ぐぬぬ、昔はまんまと払いきれなくなってそいつの魂を頂戴できたんだが、今の奴らは計算高くて手堅く判断しやがる。はあ、やれやれ。どっかに悪魔の商売繁盛のお守り、ないもんかなあ?」
若い男がその噂をきき、うらぶれた社を訪れた。
「あんたか、例のお守りを売るネロってのは」
「左様で。ただこれは良いお守りではなく、魔を守る『お魔守り』にございます」
「御託はいい。詳しく聞かせてくれ」
これは久々の当たり客かとネロは内心ほくそ笑んだ。
「へえ、六六六時間で効果切れでそれまでの罪がすべて跳ね返る。更新時は前回の六割増し……」
「資金繰りは悪事で十分に」
ネロの言葉に男はスマホの電卓をいじった。
「この条件の複利だと十年もせず千兆桁越え……こりゃ論外。邪魔したな」
男が去るとネロは角や牙、翼に尖ったしっぽを伸ばし腕を組んだ。
「ぐぬぬ、昔はまんまと払いきれなくなってそいつの魂を頂戴できたんだが、今の奴らは計算高くて手堅く判断しやがる。はあ、やれやれ。どっかに悪魔の商売繁盛のお守り、ないもんかなあ?」
ファンタジー
公開:20/04/24 22:39
はじめまして~。
いつだって初心で、挑戦者のこころでぶっ込みたい素人モノ書きです。
沢山の方々に支えられ、刺激を与えられ、触発されて今日ももちょもちょ書いております。
一人だけでは生み出せないモノがある。
まだ見ぬステキな創造へ、ほんの少しずつでも進んでいきたい。
ショートショートというジャンルに触れる切っ掛けをくださった、
月の音色と大原さやかさんを敬愛し感謝しております。
興味をもって読んでくださる全ての方にも、ありがとうございます~^^
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