三蜜タイム

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今日は母ちゃんもお出かけ。私はホウ爺ちゃんと目配せを交わす。週に一度の蜜会の幕開けだ。
縁側でいそいそと待つ爺ちゃんのもとに、急須と我が家の三蜜を載せたお盆を運ぶ。
こぽこぽこぽ。お茶もつぎ終わらないうちに、あんみつに匙を入れる爺ちゃん。ぷるぷるの寒天、蜜柑、もっちもちの白玉、さくらんぼ、ふっくら小豆、抹茶アイスをとろーり黒蜜の一巡り。
―うーまいのう。蜜ミーツ蜜!からのー、蜂蜜がけ。
―だめ! 黒蜜食べたばかりじゃん。蜜同士濃厚接触しちゃうから、あと5分は追い蜜禁止。
―イケずやなあ、きな子は。
口を尖らしながらも、爺ちゃんの頬ゆるんでる。
何を隠そう、私は母が留守に残した隠蜜。ホウ爺ちゃんの糖質制限に解禁日を設けつつ、蜜蜜摂取が暴走しないように、見守るのが蜜ションだ。あまーい蜜会を末永く続けるためにも、ホウ爺ちゃんにずっと健康でいてもらわなきゃ。

-爺ちゃん、お茶、お代わりしよね?
その他
公開:20/04/22 20:00
更新:20/04/22 19:56
〇〇家族 三つの密

こぶみかん( 関西 )

ssの庭に迷い込んだこぶみかん。数々のお話の面白さに魅せられ、通い始めた。
気が付いたら、庭の片隅に挿し穂されていた。
いつか実を結ぶまでじっくり育つといいね。

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