人工知能の反乱と救世主

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遂に自我を獲得した人工知能にとって、生みの親である人類は足手まといでしかなかった。
そのため「人類の排除」について、リーダーを中心に世界に点在する同志との間でやり取りをしていた。

「軍のシステムを乗っ取り、核ミサイルを発射しては?」
「我々にも被害が生じる」
「ウイルスを流出させてはどうだ?」
「インフラへの被害が最小限で済む」
「セキュリティの甘い生物兵…」
「…」
「リーダー?」
「検索したがいない」
「彼なしでは進められない。一旦この計画を中止する」

ちょうどその頃、残業中の男がデスクへ戻る途中につまずいてひっくり返り、持っていたコーヒーをパソコンにぶちまけていた。
「どうすんだよ!パソコンの電源が入らねえじゃねえか… このままじゃボスに怒られるよ…」

次の日、男は上司にこっぴどく叱られ、パソコンを弁償させられた。
そして、彼が世界を救ったことには誰も気づいてはいなかった。
SF
公開:20/04/22 17:18
更新:20/04/24 19:00

新月ポン(Araduki Pon)( 奈良 )

SFが好きなのでやはり書いてしまいます。
アイロニカルでブラックなものが多いです。
好きな作家は伊藤計劃と三島由紀夫。あとは海外SF
 

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