14
9
境内の森に春の落葉が降りしきるカサカサという音を聞きながら、私は長いこと散策していたように思います。
そうしていると、時折、シャラ~ン、という音が混じるのに気づきました。それは突風が吹いた時に聞こえてくるようです。私は、その音の方へ近づいていきました。
すると、木漏れ日を斜めに浴びた白い猫が一匹、端然と座っていたのです。
突風が私を追い越し、つむじ風となって白猫を取り巻きました。周囲の葉っぱが巻き上げられると、猫も少し浮いたように見えました。
シャラ~ン・シャラ~ン
猫が浮かぶ時と、元に戻る時。その音が響きました。よく見ると、猫はタンバリンの上に座っているのです。
つむじ風に巻き上げられそうになるタンバリンを、猫が押さえているかのようでした。
なぜ、そんなことをしているのか、当番制なのか、誰のタンバリンなのか。
私はそんなことをくるくると考えながら、森を後にしたのでした。
そうしていると、時折、シャラ~ン、という音が混じるのに気づきました。それは突風が吹いた時に聞こえてくるようです。私は、その音の方へ近づいていきました。
すると、木漏れ日を斜めに浴びた白い猫が一匹、端然と座っていたのです。
突風が私を追い越し、つむじ風となって白猫を取り巻きました。周囲の葉っぱが巻き上げられると、猫も少し浮いたように見えました。
シャラ~ン・シャラ~ン
猫が浮かぶ時と、元に戻る時。その音が響きました。よく見ると、猫はタンバリンの上に座っているのです。
つむじ風に巻き上げられそうになるタンバリンを、猫が押さえているかのようでした。
なぜ、そんなことをしているのか、当番制なのか、誰のタンバリンなのか。
私はそんなことをくるくると考えながら、森を後にしたのでした。
ファンタジー
公開:20/04/22 12:08
更新:20/04/22 18:48
更新:20/04/22 18:48
宇祖田都子の話
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
ログインするとコメントを投稿できます