現実性

対決の朝。
勇者・エクスカリバーは決意新たにベッドから起き上がった。
欠伸をしながら食卓へ向かう。
ドン！
「イテッ！」
何かに足をぶつけたようだ。見ると、廊下の壁の角に中指を引っ掛けてしまっていた。
「気分出ねなぁ。」
キッチンに移動し朝食を作る。卵を割ってフライパンに落とすと、見事黄身がフライパンの真ん中にきた。殻は三角コーナーに投げ入れたが、シンクに落ちてしまった。
朝食後、身支度を整えていると、どこからか洗剤の粒が落ちた。それを捨ててマントを着ようとしたが、急に紐の結び方を忘れてしまった。おかげで戦いの時間に遅れそうになった。

勇者は猛獣の瞳の奥に燻っている憎しみの光を毅然として見つめ返した。
「俺の目的はただ1つ…」
猛獣の唸り声が地の底から湧き上がり草原の大地を揺らす。
「それはお前を、倒すこ…！」
次の瞬間、彼が言い終わらない内に猛獣は彼に突進して、彼を食い殺してしまった。