爺ちゃん

ウイルス感染を危惧する我が家も外出時、子供達にマスクを着けようとする。
最初は喜んでいた子供達だが最近ではマスクを嫌がる。
ゴム紐でかぶれる。
ずっとつけていて耳が痛くなる。
子供達の言い分は分かる。でもマスクをしていないと危険なんだ。
そう言い聞かせて今日も悪戦苦闘しながら子供達にマスクを手渡す。
「そんなにそのマスクが嫌なら、爺ちゃんのとっておきのマスクをやろう」
そう言って父が持ってきたのは大きな手ぬぐいだ。それをどうするのだろう？
「ここをこうして…どうじゃ？」
父は子供達の顔を忍者の覆面のように包み上げた。
その姿に子供達は大興奮している。
「いいかお前達。それは忍者のマスク。なるべく他人に近づかない。人ごみには行かない。素早く動く。この３つが義務付けられておるぞ」
父はまるで忍者の頭領のように子供達に言い聞かせる。
子供達も忍者になり切って言う事を聞いた。
ありがとう。父さん。