名もなき喫茶店

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生と死の狭間、人が夢と呼ぶところにその喫茶店は存在する。
堕天使のウェイター、ウェイトレスが人間の感情からせっせと
お茶を搾り取るそこに迷いこんだものは必ず注文するのがルール。

「イタイ」「ナンデ」「ワカって」「イイモん」「オネガイ」
……。

聞いただけで口が酸っぱくなりそうな紅茶はまさに人生の苦汁そのもの。
たいていの人はたまらなくなって途中で飲みかけを残して席を立つ。

だが、覚悟をもって飲み干した人にはお茶の最後に後味に
気づくだろう。

「キボウ」「セイコウ」「ショウリ」といったそれらは逃げない覚悟を持ったもの
のみが味わえる。
その時。人は喫茶店の中ががらりと変わっているのに気づく。
堕天使は天使に。苦いお茶は甘い甘露に。
そして手には未来を切り開く剣が一振り。

前回君は逃げ出したけど、今回はどうするのかな?
ファンタジー
公開:20/04/21 14:24
更新:20/04/21 14:26

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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