オセ口

2
3

「白黒はっきりさせよう」

白と黒の両者が対峙し、

盤上で戦いの火蓋が切られた。


ゆっくりと、慎重に手番が進む。

白白黒白黒白……

序盤はあたかも白が
優勢であるかのように思えた。

しかし、それは黒の作戦通り。

序盤に多く取らない打ち回しで、
黒は白よりも一枚上手のようだ。


「隅は取られないもんね?」

黒が不気味に嗤う様子は、
まるで悪魔そのもの。

「まずい、このままではご主人様が……」
嘆く白は戦意を喪失した。


終局。

盤上は一色に染まった。

勝者の黒を祝うかのように
スポットライトが当たる。


「あれ?全部、虫歯ですね!」

ペンライトを片手に
目を丸くする歯科医の先生。

「そんな馬鹿な!さっきまで
虫歯は数本だったはず」

手に取った手鏡が
スルりと床に落ちていく。

口の中は真っ黒という事実に、
頭の中が真っ白になった。
ファンタジー
公開:20/04/19 16:32

モリソン( 名古屋 )

名古屋の会社員兼執筆家です。
普段は54字の物語をメインに書いていますが

ショートショートの魅力にもハマったので
皆様を参考にこれから様々な作品にも
チャレンジしていきたいです(^o^)

よろしくお願いします!

得意ジャンル
・言葉遊び系
・会社員系
・ファンタジー系

挑戦したいジャンル
・SF系
・恋愛系
・ミステリー系

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