ある夜

8
7

 ある夜。窓をコンコンコンとノックする音がした。まさか、ここは高層階だ。あり得ない。きっと他の音を勘違いしたに違いない。私は少し不安になり聞かなかったことにした。 しかし、次の夜も、またその次の夜もノックは続いた。 いったい何が起きているのだ。恐ろしくて眠れない夜が続き、私は憔悴していった。
とりあえず段ボールとガムテープで窓を塞いだ。どうすればいいだろう。
病院へ行こうか。それとも、御払いでも頼んだ方がいいのだろうか。 まずは録画してみる事にした。コンコンコン。段ボール越しにでも、音はハッキリと録れていた。これは現実だ。窓を開けてみよう。 コンコンコン。震える手でガムテープを剥がしていく、心臓がバクバクして息が苦しい。段ボールを除け、思い切って窓をガッと開けてみた。何かが空中に浮かんでいる!黒い猫印のドローンが荷物と伝票を差し出して「サインをお願いします」と喋っていた。






 
ホラー
公開:20/04/19 13:15
更新:20/04/19 13:19

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容