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私は人の幸福度をケーキの甘さで表現する事が出来るパティシエである。
そんな私のケーキを求め、今日も多くの人がやって来る。
先週まで私のケーキを美味しい美味しいと食べていた女子高生達はテストが近づくにつれその味に不満を持ち始め最近来なくなった。想定の範囲内だ。気にする事はない。
それに私の客は女子校生だけではない。結婚式のケーキを依頼される事もある。
幸せに満ちた会場で相応しいケーキを作って欲しい。心から祝福してくれる人達にとって、とても甘いケーキ。そうでない人達がどう感じるか、作り手として若干の不安はある。
先日なんて新婦はとても甘いと喜んでくれたが、新郎は甘さの中に苦みがあると言っていた。はは~ん。早速尻に敷かれているな。
酸いも甘いも苦いも辛いも。人生はケーキと同じだ。

今日の私は百歳を迎えた祖母の為にケーキを作った。
「ケーキ甘すぎるよ」と苦情を言う祖母は幸せに満ちているのだろう。
公開:20/04/20 18:39

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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