すり抜け手袋
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厚さ1ミリ以下の物体を、傷ひとつなく、すり抜けることができるようになる手袋を発明した。
開発者の博士は既に利用方法も考案していた。危険物を、薄く透明な袋にでも入れておけば、容器の内側で安全に操作できるのだ。特に痰をはじめとする不衛生な物を扱う、細菌検査の分野に大きく貢献するだろうと思われた。
「だが、そんなことより私にはやりたかったことがある!」
博士は食品店のお菓子コーナーへ向かう。そして袋包装されたポテトチップスの前で歩みを止めた。袋の厚みは当然1ミリ未満。
「夢のポテチ全種一枚ずつつまみ食い! さて、うまく起動するだろうか」
手袋をはめた。緊張のあまり思わず手を握り締める。
「ぎゃぁああ!?」
その瞬間、想像を絶する痛みが博士を襲った。
博士は失念していた。手袋の厚さも1ミリ以下であり、人間の皮膚の厚さもまた1ミリ以下であったことを。
開発者の博士は既に利用方法も考案していた。危険物を、薄く透明な袋にでも入れておけば、容器の内側で安全に操作できるのだ。特に痰をはじめとする不衛生な物を扱う、細菌検査の分野に大きく貢献するだろうと思われた。
「だが、そんなことより私にはやりたかったことがある!」
博士は食品店のお菓子コーナーへ向かう。そして袋包装されたポテトチップスの前で歩みを止めた。袋の厚みは当然1ミリ未満。
「夢のポテチ全種一枚ずつつまみ食い! さて、うまく起動するだろうか」
手袋をはめた。緊張のあまり思わず手を握り締める。
「ぎゃぁああ!?」
その瞬間、想像を絶する痛みが博士を襲った。
博士は失念していた。手袋の厚さも1ミリ以下であり、人間の皮膚の厚さもまた1ミリ以下であったことを。
SF
公開:20/04/17 20:58
更新:20/04/17 21:02
更新:20/04/17 21:02
お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!
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