牛乳の賞味期限

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これは私の不気味な体験談である。

特殊清掃業というのは、なんらかの事情で住人が亡くなり汚れてしまった部屋を清掃する仕事である。
今日の仕事は孤独死したご老人の部屋の清掃。
異臭がするので警察を呼んだところ、二週間前には亡くなっていたそうだ。

清掃を進めていくなか、私は冷蔵庫を開けて中身を捨てていた。
少し傷んだ白菜、なにかの瓶、まだ残っている牛乳。
牛乳の賞味期限なんてせいぜい一週間ほどなので、当然期限が切れていると思った。
しかし、おかしい。
その賞味期限の日付がどう見ても新しいのである。
私は勘違いかと思い、その場にいた同僚に今日の日付を確認した。
間違いなく賞味期限より手前の日付だった。
私は手にしているただの牛乳が急に不気味なものに思え、そっと冷蔵庫に戻した。

このことはすぐ警察に報告した。
しかし、あの部屋で何があったのか、誰が出入りしていたのか、結局謎のままである。
ミステリー・推理
公開:20/04/18 15:49

空岸なし

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