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「悪いね、収穫を手伝ってもらって」
場所は友人が経営している果樹園。先日電話があって、急遽手伝いに行くことになった。
収穫するのは、ヒカリレモンという品種らしい。聞いたことのない名前だったけれど、実物を見て驚いた。
果実が半透明なのだ。日の光を浴びて黄色い影が伸びている。触れた時の感触はゼリーのように柔らかく、もぎ取る時には細心の注意を払わなければいけない。
「どういう仕組みなんだ、これ」
「はは、そういうと思ったよ。いや、俺もよく分からないんだけどね」
収穫し終わった果実を入れたかごを背負って歩く。ヒカリレモンの木はもともと数が少ないため、人力で運べる量だったのは有り難かった。
下り坂を歩く。
「わ、っとと……」
バランスを崩してしまう。ぼたたた。果実が転がり落ちる。
「わあああ」
「やばい、やばい!」
坂を転がる果実は次々に爆ぜて、爽やかな酸味を帯びた風が、色が、広がっていった。
場所は友人が経営している果樹園。先日電話があって、急遽手伝いに行くことになった。
収穫するのは、ヒカリレモンという品種らしい。聞いたことのない名前だったけれど、実物を見て驚いた。
果実が半透明なのだ。日の光を浴びて黄色い影が伸びている。触れた時の感触はゼリーのように柔らかく、もぎ取る時には細心の注意を払わなければいけない。
「どういう仕組みなんだ、これ」
「はは、そういうと思ったよ。いや、俺もよく分からないんだけどね」
収穫し終わった果実を入れたかごを背負って歩く。ヒカリレモンの木はもともと数が少ないため、人力で運べる量だったのは有り難かった。
下り坂を歩く。
「わ、っとと……」
バランスを崩してしまう。ぼたたた。果実が転がり落ちる。
「わあああ」
「やばい、やばい!」
坂を転がる果実は次々に爆ぜて、爽やかな酸味を帯びた風が、色が、広がっていった。
ファンタジー
公開:20/04/16 08:00
更新:20/04/16 07:33
更新:20/04/16 07:33
#いろのはなし
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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