オタサーの姫

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高校までイケてなかった私は大学デビューを決め込んだ。
雑誌で学んだメイク術を駆使し、中の上くらいのルックスになった。
さすがにこの程度では人気サークルで姫となるのは難しいだろう…
しかし、オタクサークルなら行けるはず!
ゲームの影響で戦国武将が好きな私は歴史研究サークルに入った。
思った通りここはムサい男の集まり。これなら簡単に姫になれるぞ。
「姫、何ですかその恰好は!はしたない!もっと慎みを覚えなさい」
「姫、お勉強の時間ですぞ。今日もしっかり教養を身に着けましょう」
「姫、お稽古の時間ですぞ。今日こそ日舞とお琴、そして生け花を覚えて頂きます」
あれ~…思っていた姫と違うぞ…
まあ、これはこれで姫だけど…皆チヤホヤしてくれるけど…なんか違う…
しかし、根が真面目な私は彼らの言いつけ通り教養を身に着けた。

あれから10年。私は会社を設立し、サークルの男性達を率いて今日も仕事に励んでいる。
公開:20/04/15 19:18

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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