2
4
点線人間はよく「それって透明ってことなの」と尋ねられるのだが、とくにそういう訳でもないのでそういうと「じゃあなんで点線なの」と問い直されて答えに窮してしまうことがある。
その日点線人間は「僕はどうして点線なんだろう」と輪郭が点線の手のひらを太陽にかざしながら、縁側に座ってもの思いに耽っていた。
手のひらを通して太陽が透けて見える。自分の手のひらは確かにここにある(ような気がする)のに太陽が透けて見えるのは、やっぱり自分が透明だからなのかもしれない。点線人間は自分の手のひらに息をフッと吹きかけてみた。
たしかに手のひらはあった。しかし半分くらいそよそよと吹き抜けていった。
縁側に面した一坪ほどの庭と隣接した家を仕切ったブロック塀の上をヨコシマ猫が通りかかり、いつものように「三二一(読み方自由)」と小さくないた。
その日点線人間は「僕はどうして点線なんだろう」と輪郭が点線の手のひらを太陽にかざしながら、縁側に座ってもの思いに耽っていた。
手のひらを通して太陽が透けて見える。自分の手のひらは確かにここにある(ような気がする)のに太陽が透けて見えるのは、やっぱり自分が透明だからなのかもしれない。点線人間は自分の手のひらに息をフッと吹きかけてみた。
たしかに手のひらはあった。しかし半分くらいそよそよと吹き抜けていった。
縁側に面した一坪ほどの庭と隣接した家を仕切ったブロック塀の上をヨコシマ猫が通りかかり、いつものように「三二一(読み方自由)」と小さくないた。
その他
公開:20/04/17 09:53
シリーズ人間
巣々木尋亀(すずきひろき)と申します。
コメントを頂きましたら、頂いた方の作品への感想でお返ししています。
決してスルーしている訳ではありませんのでよろしくお願いします。
noteにも作品を投稿しています。
https://note.com/nonlemon
twitte/@bungeifujico
ログインするとコメントを投稿できます