サイキックマスター城ケ崎ミチル その11

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事の一部始終を見ていたタケルと博士の二人は、仰向けに倒れこんでピクリともしないムドエにそっと近づいた。
「見てください博士。この満ち足りた顔を」
「うむ、実に幸せそうだ」
「でも、まさかあのミチルが」
「それは違うぞタケル君」
「博士、それはどういう」
博士は思い返していた。ミチルの女王様然としたあの態度を。
見ていただけの博士ですら、思わず震えてしまうほどだった。ムドエと代わりたいとすら思った。
「あれこそがサイキックマスター城ケ崎ミチルの真の姿、SMジョウミチルだ!」
「SMジョウ」
タケルが恐る恐る言った。
「博士まさか」
「タケル君」
「これって、ただそれが言いたかっただけじゃ」
博士は、黙って頷いた。
「博士……!」
がしっ、と博士とタケル、そして作者は固い握手を交わす。
熱い涙が3人の頬を伝った。
――男って、バカ。
電柱の陰で見ていたミチルはそう呟くと、そっと目元を拭った。
SF
公開:20/04/14 19:25

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