サイキックマスター城ケ崎ミチル その9

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「待ちくたびれたぞミチル」
「くっ」
「さあ! 鞭でも蝋燭でも水鉄砲でもどれでもいいぞ! 激しく俺を責め立てろ!」
――どうすれば。
すると、追い詰められたミチルの中で、
――トクン
と、何かが弾けた。
「……責め立てろ?」
「ん?」
「クソ豚の分際で私に指図するなんていい度胸ね」
「え?」
「そこに座りなさい」
「は?」
「聞こえなかったの? 座れ」
「は、はい!」
「正座」
「はい! すいません!」
ガラリと変わったミチルの雰囲気に戸惑いながらも、ムドエは慌てて座り直す。
「それで、私にどうしろって?」
「あ、あの俺を」
「聞こえな~い」
「お、僕を激しく責め立てて欲しいです!」
「ふ~ん」
ミチルは腕を組んだまま、蔑むような眼差しでムドエを見下ろす。
ムドエは、ごくりと喉を鳴らした。
「じゃあさ、土下座してお願いしてよ。ミチル様って♡」
「えっ」
ミチルはくすくすと笑みを浮かべた。
SF
公開:20/04/14 19:23

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