6
7
モロの子供二匹が教室の窓を割って入ってくる。
驚くクラスメイト。二匹は私の元へとやってきて、私を拐っていく。
ここでない何処かへ行く為に。
「佐伯サンここに印鑑貰えます?」
「あ、はい」
ここで私は印鑑を押すだけの人。
「ドモ」
若い社員も増え、気がつくとちょっと偉い役立たずのおじさんになっていた。
「ただいま」
ドアをそっと閉めるのは私なりの気遣いで、いつものこと。
いつもと違うのはバタバタとこちらへ向かってくる足音があったこと。
「おとうさんおかえり!」
二つの声はシンクロし、同じ顔が私の足元へ飛びついてくる。
「二人とも寝ないって聞かなくて」
妻は申し訳なさそうに笑う。
「たんじょーびおめでとー!」
本物のもののけは来なかったけれど。
小学生の頃の妄想がここへ繋がっているような気がして。
「佐伯サンここに印鑑…」
「はい」
「今日なんかイイ感じですね」
「あ、はい」
驚くクラスメイト。二匹は私の元へとやってきて、私を拐っていく。
ここでない何処かへ行く為に。
「佐伯サンここに印鑑貰えます?」
「あ、はい」
ここで私は印鑑を押すだけの人。
「ドモ」
若い社員も増え、気がつくとちょっと偉い役立たずのおじさんになっていた。
「ただいま」
ドアをそっと閉めるのは私なりの気遣いで、いつものこと。
いつもと違うのはバタバタとこちらへ向かってくる足音があったこと。
「おとうさんおかえり!」
二つの声はシンクロし、同じ顔が私の足元へ飛びついてくる。
「二人とも寝ないって聞かなくて」
妻は申し訳なさそうに笑う。
「たんじょーびおめでとー!」
本物のもののけは来なかったけれど。
小学生の頃の妄想がここへ繋がっているような気がして。
「佐伯サンここに印鑑…」
「はい」
「今日なんかイイ感じですね」
「あ、はい」
その他
公開:20/04/14 19:12
更新:20/04/14 20:24
更新:20/04/14 20:24
書いたり喋ったりする金髪ギャルのひとです。時空モノガタリ出身。
■Twitter(@teloivxijor)
https://twitter.com/teloivxijor?s=09
■菫永 園の踊らないラジオ
https://radiotalk.jp/program/49880
ログインするとコメントを投稿できます