電車旅

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 高校生のある日、僕は初めて一人で電車に乗って、東京に行った。片道は三時間くらいかかった。車窓からの景色は田舎の寂れた駅のホームにはじまり、巨大なビルの建ち並ぶ首都圏まで続いた。そのあいだ、ずっと人の生活や営みが途絶えることはなかった。僕はその単純な事実に何か途方もないものを感じて、終着駅まで通過してきたすべての街に、家や会社や学校があって、自分と同じように何万人という人々が暮らしている様を思い浮かべようとした。けれど、すぐに僕の頭の容量は限界をきたし、想像力はパンクしてしまった。この世界はあまりに広く、複雑すぎる気がして、僕は少し臆病になった。
 終着駅の新宿は広く多層的で、どこが地上一階なのかもわからなかった。今でも新宿に行くとあの頃の自分を思い出す。大人になった今、少しは僕もこの世界について学んだと自負している。でもやっぱり、今でもこの世界はあまりに広すぎて、僕は圧倒されてしまう。
青春
公開:20/04/14 18:21
徒然なるままに 書きました

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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