春色のマボロシ

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僕の中の桜が散った。
とりあえず、青い空に叫んでみた。
当然、視線が刺さる。針の筵。
構うものか。
離れていった温もり。花冷えなんてものじゃない。
けれど、これを乗り越えなければ何も進まない。
僕は誰もいない桜道へと進む。
1人の生活は昔、経験しているのに。
ため息が呻きに変わるまで時間はかからない。
むしろ、息をしているだけマシとすら思える。
大好きだったと気づいたあの娘のマボロシ。
見えるのは何。
この道好きね。彼女がはにかむ。
僕が好きなわけじゃない。君と歩くのが好きだったんだ。
蹴り上げた花筵。
春色の雨が降る。
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公開:20/04/14 18:21

ibara_hime

文章を削る練習をしています。
妄想は得意。感想は苦手。   ・・・・・・です。

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