死にたい魚

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死にたい魚が夜月を目指して泳いでいる。『あれは月じゃないんだ。天国の入り口だよ』そう誰かに教えられたのを信じて。死にたい魚は懸命に月を目指して泳いでいる。辿り着けない場所に辿り着くために。いつか老いぼれて、瞼も重くなって、永遠の夢の中で、月に辿り着く。死にたい魚の、しあわせな話。
その他
公開:20/04/14 13:07
更新:20/04/14 13:11
140字小説

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