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父は2mを越える筋骨隆々な体に厳つい顔の禿頭。まるで鬼のようだと皆から恐れられている。
口数は少なく仕事に真面目。鋭い眼光で一睨みすれば近くで花を咲かせていた会話があっという間に枯れてしまう。
会話に混ざりたいんならそう言えばいいのに…とはいえ、不器用な父ではそれも難しいか。
そこで自然科学研究所に勤める私は研究成果を父に提供した。父の禿頭に人工芝を張り付けたのだ。
「アレルギー反応が出ないかモニターして欲しい」
父は快く受けてくれた。その日から父の頭は緑のアフロと化した。
父の職場の皆はさぞ驚いただろう。何せ、父の頭は緑に満ち、マイナスイオンが出ているのだから。
さらに私は芝に鹿威しを取り付けた。父の頭上に日本庭園が完成した。
「部長、それなんですか」
ついには皆も聞かずにはいられなくなったようだ。父の顔に笑顔が満ちる。
「娘の研究成果だ」と私の自慢を始めては皆を別の意味で困らせ始めた。
SF
公開:20/04/15 18:45

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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