あなたと家族
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私は今日、結婚する。
真面目で、不器用で。そんな彼と、“家族”になる。
リンドーン。祝福の鐘がひとつ。
純白のベールに、純白のドレス。声は言う。
「あなた色に染めてください」
控室。純白のドレスを見に纏った私に、真剣な顔をした彼が言う。
「あなた色に染めてください」
「え?」
「そのドレス、あなただけの色に染めていってほしいんだ。僕じゃなくて、あなたの色に」
普通、純白のドレスは、“あなた色に染めてください”という女性から男性への想いが込められている。なのに…。
「僕は、あなたの色が好きなんだ。自由で、キラキラとしていて。ずっと、あなたらしく生きていってほしい」
そう言って、私の手を握る彼の手は震えていた。
好きだ。この人が好き。不器用だけど、私を“未来”へと導いてくれる、この手が好きだ。
「愛してる」
ぽつりと溢れた言葉にあなたは気づかない。
真面目で、不器用で。そんな彼と、“家族”になる。
リンドーン。祝福の鐘がひとつ。
純白のベールに、純白のドレス。声は言う。
「あなた色に染めてください」
控室。純白のドレスを見に纏った私に、真剣な顔をした彼が言う。
「あなた色に染めてください」
「え?」
「そのドレス、あなただけの色に染めていってほしいんだ。僕じゃなくて、あなたの色に」
普通、純白のドレスは、“あなた色に染めてください”という女性から男性への想いが込められている。なのに…。
「僕は、あなたの色が好きなんだ。自由で、キラキラとしていて。ずっと、あなたらしく生きていってほしい」
そう言って、私の手を握る彼の手は震えていた。
好きだ。この人が好き。不器用だけど、私を“未来”へと導いてくれる、この手が好きだ。
「愛してる」
ぽつりと溢れた言葉にあなたは気づかない。
その他
公開:20/04/15 16:13
更新:20/04/26 20:00
更新:20/04/26 20:00
〇〇家族
書くこと、読むことが大好きな社会人3年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』
note https://note.com/sumire_ssg
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