因果応報

謎の伝染病が全世界で蔓延し、人類の医療技術ではもはや対処は困難となった。そこで国連は一縷の望みをかけて宇宙に向け、救援要請の通信を試みるのであった。

一週間後、NASAの基地に地球外からの通信が届いた。

「検討する」

このニュースは絶望の淵へと追い込まれていた世界中の人々のこころに希望の灯をともすものとなった。

ところが、その通信の数日後から伝染病での死亡者が急増し、これに焦った国連は再びメッセージを送信して救援を催促した。

そして、宇宙からその返信として長いメッセージが届いた。

「人類からの救援要請について検討いたしましたが、地球上の他の生物からも人類の害について同様の申し出があり、双方の要請について個体数での比較をした結果、他の生物を救うことに決定いたしました。悪しからずご了承のほど、よろしくお願いいたします」