いろのはなし・アクア

水曜日。僕の住む街は、姿を変える。
目が覚めて外に出ると、街中の建物全てが水のように変化しているのだ。
その上を歩くと、ガラスのように硬質的な音が鳴る。
コン、ココ、トン、タン。
リズムを刻みながら歩く。その振動で波紋ができる。広がり、干渉し合って大きな波になる。
信号機は青、黄、赤の色水を、魔法で消したり戻したりしているみたいだ。今もまた、赤色がしゅるる、と吸い込まれて青が顔を出す。

水の建造物は、空の色を映す。透き通る朝焼け。晴れ渡った青空。オレンジ、紫、マーブル模様の夕焼け。夜は煌めく星空の、宝石のようなそれらをその身に宿す。
今日もまた一日が終わる。明日は木曜日。
また一週間お預け？　いやいや、楽しみが一つ増えただけだよ。