怠け者の新天地

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掃除や洗濯も嫌いで、万年床の無精男が居た。
食事は面倒だとコンビニでのパンで済ましていたが、最低生活をするにも、コストがかかる。
仕方無しにバイトをしては日銭を稼ぐが、これも面倒だ。
効率よく金儲けができるぞと、悪の囁きもあるがそれも面倒そうだ。
ぐうたら生活が一番だと決め込んでいた。

或る朝、目を覚ますと熱帯林の樹にぶら下がっている自分を発見した。
食事や睡眠もぶら下がったままで出来、樹の葉っぱや新芽で一日に7gも食べれば十分だ。
面倒なのは週に一回は、トイレの為に樹から地上に降りること位だ。
これで一生のんびりと暮らせると喜んでいた。
ところが亜熱帯地区の開発が進み、油をとるためのヤシ農園等が造られた。他の動物達は別のジャングルへ逃げたが、
ノロマなナマケモノは保護され動物園に送られた。

今は上野動物園で一日中ぶら下がり、見学者達を楽しませ自分ものんびり生活を楽しんでいる。
ファンタジー
公開:20/04/14 09:00
更新:20/04/14 20:32

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