サイキックマスター城ケ崎ミチル その4

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ドサリ、と地面に落ちるタケル。
――そんな。私の5倍は強いタケル兄さんが一撃で吹っ飛ばされるなんて。
タケルは、浜辺に打ち上げられたワカメのように力なく横たわっていた。
――待って、それじゃあ。
ふいに、ミチルに怒りが湧いてくる。
――馬鹿にして。今まで手加減してたっていうの。
ミチルは怒気を孕んだ目をムドエに向ける。
「さあこい、ミチル!」
――こいつ。
「やあああ!」
ミチルの強烈な掌底が、ムドエの鳩尾を直撃した。
「ぎゃぼーっ♡」
「うおおおい!」
ミチルは思わず後方へ飛び退く。
「やっぱりハートマーク付いてる! なんなのあんたいったい!」
「さあどうしたミチル! もっと打ってこい! 俺の興奮が冷めやらぬうちに!」
「興奮って! もはや隠す気もない!」
ハアハアと、益々息が荒くなるムドエ。
――どうしよう。これ以上攻撃を続けたら。
そのときだった。
「ミチル君!」
「博士!」
SF
公開:20/04/13 19:21

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